メラノーマ(悪性黒色腫)とは
メラノーマ(悪性黒色腫)は、皮膚がんの一種でいわゆる“ほくろのがん”と呼ばれるものです。皮膚を構成している細胞の中に、メラニン色素を産生する細胞があって、これを色素細胞(メラニン細胞;メラノサイト)と呼びますが、この細胞ががん化したものが、メラノーマ(悪性黒色腫)です。
色素細胞は、皮膚以外に鼻腔、口腔や外陰部、肛門など粘膜にも分布しているため、ここからメラノーマができることもあります。
メラノーマの発生原因は、よくわかっていませんが、白色人種の発生率が有色人種よりも数倍以上高く、特に紫外線の強い地域に住む白色人種の発生率がさらに高いようなので、無防備なまま紫外線を浴びることは、よくないようです。
日本における発生数は人口10万人あたり1.5~2人くらいと言われ、欧米やオーストラリアなどの地域に比べると大変少ない病気とされていますが、最近は日本の患者数も増加傾向にあります。
メラノーマは、悪性度が非常に高いがんとして知られており、病気が進行すると内蔵への転移も起こりやすいなどの特徴もあります。
しかし皮膚にできるがんであるため、自分でチェックすることで、早期発見も十分可能です。早期に発見し、適切な手術や治療を受ければ、治る確率も非常に高くなります。
また、ここ数年の欧米での新薬の承認などを受けて、日本でもいくつかの新薬の治験が進んでおり、メラノーマを取り巻く環境は、大きく変わろうとしています。
悪性度が高いと恐れるのではなく、メラノーマを少しでも知ってもらうことで、この病気の早期発見、早期治療につながればと願っています。
医療情報監修:国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 科長 山﨑直也