本日、3月28日に悪性黒色腫4つ目の新薬、ノバルティスファーマ(株)のBRAF阻害薬タフィンラー®(ダブラフェニブ)、MEK阻害薬メキニスト®(トラメチニブ)の製造販売申請が承認されました。
昨年4/27の申請から約1年、BRAF V600遺伝子変異を有する患者にとっては、待ちに待った新薬の登場です。今回の新薬はMEK阻害薬を併用することで、BRAF阻害薬単剤使用より、治療効果が高まり、副作用も軽減されるなどの効果がみられる非常に期待の高い新薬です。既にこの併用療法も2014年1月に米国での迅速承認を経て、2015年11月に正式に承認、その後欧州でも承認され、悪性黒色腫の治療法として、世界各国で多くの実績をあげています。
欧米に比べ日本人は、BRAF V600遺伝子変異を有する人は少ないとされていますが、それでも多くの人たちがこの薬を待っていたと思います。健康な人にとっての1年はあっという間の出来事ですが、病気を抱える私たちにとっての1年はとても長く、この薬を待てずに旅立っていった仲間たちもたくさんいました。
ただこれから、薬価収載がありますので、通例だと実際にお薬が服用できるまで、最低でもあと2か月かかります。患者会としても会員の皆さんの“一日も早く”の想いを届けるために、ここは関係各所へ積極的に要望を出していく予定です。
また今回承認されたMEK阻害薬メキニスト(トラメチニブ)は、もともとは日本で開発された薬です。オプジーボに続き、またしても日本発の薬が私たちの命を救ってくれようとしていることは、とても嬉しく誇らしい気持ちになります。
そして新薬承認の度に、思うこと…この薬の開発から承認までにかかわってくださった先生、製薬会社の方々などすべての方々に感謝いたします。ひとつの薬が世に出ることは、そんなに簡単なことではなく、そこには多くの人の努力と想いが詰まっています。この想いを私達もしっかりと受け止め、色々なことに感謝しながら治療にあたりたいと思います。そして一人でも多くの人のメラノーマ患者の命が救われることを心より願っています。
武器はまたひとつ増えました。「Over The Rainbow」発足の理念でもある虹の向こうの明るい未来を目指して共に闘っていきましょう!