今日は、皆様に一冊の本をご紹介いたします。
タイトル:絶望をどう生きるか
著者 :清水 研(がん研究会 有明病院 腫瘍精神科部長)
出版社 :幻冬舎
この本は、6名のがん患者さんの体験が記されています。皆さん20代から30代に突然がんの告知を受けて、死を意識せざるを得ない状況になり、絶望と向き合いながらどう向き合っていたか、その体験を聞いた上での清水先生からのメッセージが記されています。本の中に「レジリエンス」というキーワードが出てくるのですが、それは、困難な状況にしなやかに適応して生き残る力を意味する心理学用語として近年使われているそうです。
この6名の中のお1人がメラノーマの患者である三井里美さんです。患者会の会員さんでもあり、先日のお茶会にも参加してくださりました。
私自身、少し前より三井さんのInstagramをフォローさせていただいており、三井さんの持つユーモア溢れる投稿にいつも元気をいただいてます。三井さんの投稿は、とても明るく前向きで、治療のことや再建のことなどを冷静に記しています。どうしてこのように前向きに明るく笑顔でいられるのだろう、どうして治療のことウイッグのこと再建のことなどを赤裸々に綴ることができるのだろうと思っていました。本を読んでここに至るまでの三井さんの心の変化、日々大切にしていることを知って、その理由が少し理解できた気がしました。
他の5名の方の体験談もそれぞれとても率直に記されています。清水先生のメッセージも決してこうあるべきとかではありませんし、前向きで元気にいるべきということでもありません。本から受け取るものは人それぞれだとは思いますが、もし興味があればぜひ手に取っていただきたい1冊です。